STEP3 相手の"好き"を判断するものさしをつくる
Q. 相手が両想いか、今からでも分かるようになる?
A. 理屈が分かればすぐに出来ます
第12話 味の決め手
2018.10.03
前話に続き、有楽町のイタリアン・カフェで相談延長。
初対面の男性が両想いかを見極めるにはどうすればよいか、相手の"好き"を判断するものさしを持ってもらうためのインプットの話です。
前話では、マリコさんが料理教室を開催したとしたら、ということで料理教室のAさんと、試食会のBさんの例題について話しましたね。
そもそも、なぜ料理の場面だとマリコさんは、Aさんの反応を予測できたり、Bさんと他の2人の反応の違いを識別できたりするのでしょう?
それは、あなたが判断するものさしを持っているから。その料理について「味の決め手」を持っているからです。
料理が得意なマリコさんは、それぞれの料理に決まった味を持っています。作っている最中に味見をして、自分が決めているとおりの味になったと思った時点で、完成を決断します。これは料理の不得手な人には出来ない芸当。自分で努力して習得した能力です。
美味しいという「味」自体は、お母様や料理学校の先生から受け継いだかもしれません。ですが、これでいいと判断する時の「決め手」は自分の心の中の状態なので、他人から教えられるものではなく、訓練して自分で磨き上げたものだと思います。
もし、料理の不慣れな私が、今からマリコさんと同じことをやろうと思ったら、まずは完成した料理を食べて「味」を覚えます。そして「決め手」については、あなたからどの段階で味見して、どのようなことを感じとれればよいのかのコツを教わり、あとは私自身の訓練で自分が生活に困らないレベルを目指して、勘を磨き上げるでしょう。
恋愛でマリコさんが両想いを見極められるようになるのも、これと同じことです。
まずは、基準となる「味」を、常にブレることがないぐらいにハッキリと認識しておいて、それを使って決断できるよう、訓練で自分なりの「決め手」を作って磨き上げるのです。
恋愛の場面で「味」に代わるものさしは「自分自身の魅力」です。マリコさん自身が、自分の良い所をハッキリと認識すること。
マリコさんは、彼に自分のどこを好きになってもらいたいですか? そこさえ分かって、常にブレないようになれば、「決め手」は自分の中で自ずと育ちます。
少なくとも、マリコさんの洞察力は既に天下一品。理屈さえ分かってしまえば、習得にさほど時間はかからないでしょう。
理想のパートナーのことを真剣に考えた時に、隣にいる自分自身も何度も思い返したはずです。自分の魅力、自分の中で彼に好きになって欲しいところ。既に自覚していることを、再認識するだけです。
自分自身の「味」を認識できたら、次は「決め手」となる実践の勘を磨く話です。ここで、実践の狩の手順を確認しましょう。
- 1. 獲物を探して見つける。
- 2. 射程距離を測る。
- 3. 射程圏内に入ったら、照準を定める。
- 4. ベストなタイミングまで待って、捕獲。
1番は"理想のパートナーのレシピ"どおりの彼を探して見つける工程。
問題の「両想いを見極める」の話は2番の工程になります。射程距離を測って、相手が自分の射程圏内かどうかを見極めます。圏内なら両想い。圏外は全て見送りです。
圏内の両想いの彼のみ、交際相手としてネライを定め(3番)、近づいて親しくなって交際スタートとなります(4番)。
マリコさんは、1番までは進めていますね。なので、本題の2番「射程距離を測る」について解説します。
射程距離とは、「(猟銃など)その威力が有効となる目安の距離」と説明されます。
前話の例題、料理教室のAさんや、試食会のBさんの話を思い出してください。料理の場面で相手の反応を伺う時、自分の頭は一体どんな作業をしていると思いますか?
あなたは「自分がイイと思った味」と「相手が感じとった味」との距離を計測しているのです。その2点間の距離が近ければ近いほど「美味しい!」となって、相手は自分が期待したとおりの反応を示します。これがすなわち、両想いの状態。逆に、遠ければ遠いほど、期待はずれの反応に終わります。
自分の味と相手の味が一致した瞬間、その相手はどんな反応を示すでしょうか?
- ・思わず「美味しい!」と言葉をもらす。
- ・食べた瞬間、瞳がパッと輝く。
- ・自然に口角が上がる。
- ・自分に向ける視線が優しくなる。
これらの反応のほとんどを、マリコさんは相手が目の前に現れる前から、何度となく妄想しているはずです。
自分が美味しいと思う料理を食べて、満足してほしい。心を込めて作ればきっと伝わる。食べた相手はきっとこのような反応を示してくれるに違いない、と。
恋愛の両想いも、これと全く同じことをすればいいだけです。
恋愛では、「自分がイイと思った魅力」と「相手が感じとった魅力」との距離を計測します。
自分の魅力をイイと思ってくれた瞬間の相手の反応を、相手が現れる前から妄想します。
そして相手が現れた時、期待どおりの反応を示せば、その彼が両想いの相手ということです。
「勝手に都合よく妄想したことが、現実に再現されるってこと??」
そんなのあり得ないと思ってます?
勝手にムリだと決め付けて安易に目を逸らさないことです。マリコさんは既に料理の場面では何度となく、しかもいとも簡単にやってのけているのだから。
既にその能力は持っているし出来るのに、使わないから鈍っているだけです。一度要領を掴めば、呼吸するのと同じぐらい当たり前になります。
やり方の説明はここまで。レシピの時と同様、次は実例を挙げてお話しします。